注射は皮内注射、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射に分類され、目的によって注射をする場所が異なります。
皮下注射は、真皮と筋肉の間にある脂肪組織に行う注射です。
注入した薬は毛細血管に入り血流に乗って運ばれるか、リンパ管を経て血流に達します。
筋肉注射と比べて少量の薬液しか投与できませんが、筋肉や静脈より吸収速度が遅いため、インシュリン、インフルエンザの予防接種など効果が長く続くように選ばれます。
1 指示箋の確認 事前準備として、注射指示箋を確認します。 指示箋を確認する際には、誤薬を防止するための6つのRの原則を意識して確認しましょう。 6つのR 正しい患者 Right Patient 正しい薬剤名 Right Drug 正しい時間 Right Time 正しい投与経路 Right Route 正しい量 Right Dose 正しい目的 Right Purpose |
2 必要物品 準備物品 ・指示箋 ・薬液 ・注射器(2.5~5㏄のシリンジ) ・注射針(23~27G) ・手袋 ・アルコール綿(ノンアルコール消毒綿) ・トレー ・膿盆 ・針捨容器 注射器は、対象者のもとへ行く前に準備しておきましょう。 ▼注射器の準備方法については、別の記事で詳しくご紹介しています。 【保健師の知識】注射器の準備 |
3 注射 物品の準備ができたら、対象者のところへ行きます。 相手にフルネームで名乗ってもらい、皮内注射の目的と方法を説明しましょう。 ⑴ 物品を配置し、対象者の準備をします。 座位または端座位になってもらい、刺入部を確認するために腰に軽く手を当ててもらいます。 ⑵ 刺入部意を確認します。 刺入部意は、肩峰と肘頭を結んだ線の下から1/3の点です。 薬液を吸収可能な皮下脂肪の厚さは5㎜以上であるため、皮下脂肪をつまみ、皮下脂肪の厚さを確認します。 ⑶ 手袋を装着します。 ⑷ 刺入部意を消毒します。 刺入部意を中心に外側に向かって円を描くようにアルコール綿で皮膚を消毒し、乾燥するまで待ちます。 ⑷ 注射針のキャップを外し、カット面を上に向けて注射器を利き手で持ちます。 非利き手の親指と人差し指で刺入部意の外側の皮膚をつまんで持ち上げ、皮膚面に対して10~30度の角度で皮下に針を刺します。 ※強くつまみすぎると筋肉の組織まで持ち上げてしまう可能性があるので注意しましょう。 ⑸ 注射器を固定した状態で痛みやしびれ、血液の逆流がないことを確認します。 強い痛みや痺れがある場合には、神経に触れている可能性があるため、すぐに抜針し、痛みの状況を確認します。痛みが継続するようであればリーダー看護師に報告し対策を考えましょう。 シリンジを軽く引いて逆血がある場合には、針先が血管内にあります。静脈内投与になると薬の効果が速く・強く出てしまったり、副作用が出てしまう可能性があるため、すぐに抜針します。 異常がなければ、全身状態に変化がないかを確認しながら薬液をゆっくり注入します。 ⑸ 薬液の注入が終了したらすばやく抜針しアルコール綿を当て止血します。 ⑹ 抜針した針と注射器をそのまま針捨て容器に捨てます。 ⑺ 気分不快の有無を確認し、患者さんの衣服を整えます。 ⑻ 注射終了後、患者・投与した薬剤・量等に間違いがないか6Rを確認します。 問題がなければアンプルを針捨て容器に破棄します。 |
今回は、皮下注射の方法についてご紹介しました。
正しい知識を持ち、経験を積むことで確かな技術を身につけましょう。
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